10月4日に、韓国ドラマ「白雪姫には死を/BLACK OUT」の最終回が配信されました。
遺体なき女子高生2人の殺害事件をきっかけに、複雑な人間関係が明らかに。謎が謎を呼ぶ展開は韓国だけでなく、日本でも大きな話題となりました。
そこで、最終回の考察とドラマを見た感想について取り上げます。
なお本記事では、ネタバレが含まれています。ドラマ最終回未視聴の方は、ご注意ください。
ロケ地の情報もまとめたのでこちらの記事もどうぞ。
白雪姫には死を/BLACK OUT駆け足気味だった最終回!残された謎の考察
「白雪姫には死を/BLACK OUT」の最終回は、駆け足な展開でした。謎も残されたままです。
パク・ヒョンシク殺害の実行犯は誰だったのか?ドラマから察するに、イェ・ヨンシル議員の男性秘書でしょう。もちろん、黒幕は議員本人。ただ明確な描写はなく、あやふやな結末となりました。
そしてパク・ダウンの遺体の処遇です。 ダウンの遺体を10年も隠していたのは、ヒョン・スオです。
同じ屋根の下に住む父親のグタクはなぜ、10年もの間遺体に気が付かなかったのでしょうか?13話時点では見て見ぬふりをしていたと思われましたが、最終回の様子を見る限り全く気が付いていない様子でした。
考えられる理由としては、グタクは仕事で家を空けていたからでしょう。家に帰っても寝るだけの日々。スオとのコミュニケーションも、ほとんど取っていなかったように思えます。だからこそ秘密の地下室の存在も知らず、ダウンの遺体についても気付けなかったのです。
少々強引な考察になりますが、一応の筋は通ります。
白雪姫には死を/BLACK OUT真犯人は嫉妬と欲望
遺体なき女子高生殺人事件の犯人は、嫉妬と欲望です。
人間であれば、誰しもが欲望を持っています。そんな中、身近に「成功者」がいると心の中に嫉妬の感情が芽生えるものです。
シム・ボヨンとパク・ダウンを直接手にかけた犯人は、作中で明らかになっています。実行犯とは別に欲望と嫉妬にまみれた人が加わり、事件は思わぬ形へ。そして最悪の結末を迎えるのでした。
嫉妬と欲望で得たものとは?
シム・ボヨンを直接殺害したのはシン・チュホですが、事件には6人の人物が関わっていました。6人には己の欲望に忠実すぎるほど忠実に従い、事件を隠蔽。
ジョンウに罪をなすりつけて、自分達は成功を手にしたのです。
ジョンウに罪を擦り付けた理由は、嫉妬によるもの。6人は何らかの形で、ジョンウと彼の家族に強い嫉妬を抱いていました。ジョンウの過程が事件によって大きく崩れたら、6人が受ける恩恵は大きいものになります。
事実、ボヨン殺害事件に関わった者は出世や財産を築いていました。
パク・ダウンを直接殺害したのは、パク・ヒョンシクです。ヒョンシクの妻であるイェ・ヨンシル議員は、自身の立場を守るために事件を隠蔽。罪のない男子高生を犯人に仕立て上げ、地位を守り抜いたのでした。
チェ・ナギョムは大人気女優です。ナギョムの心の中には、常にジョンウがいました。ジョンウを自分のものだけにするため、事件を隠匿。決定的な証拠を持っていたのにも関わらず、10年も隠し通していました。
ボヨンとダウン殺害の隠蔽に関わったヒョン・グタクは、事件をきっかけに昇進。ムチョン・警察署の署長に大抜擢となりました。
嫉妬と欲望で失ったものとは?犯人達の末路
嫉妬と欲望にまみれた人達の行く末は、あまりにも悲惨なものになりました。ヨンシル議員の選挙落選と拘束については、まだ良い方です。
ボヨン殺害に関わった6人の内、4人は逮捕されました。内1人であるヒョン・ゴノは自殺。ボヨンに直接手を下したヒョンシクはボヨンの父親に殺害されてしまいました。
ナギョムは、ダウン殺害事件の隠匿容疑で逮捕。ジョンウを誘拐監禁した上、ハ・ソル殺人未遂事件の罪にも問われています。人気女優の大スキャンダルは、マスコミも黙っているはずはありません。刑期を終えて出所したところで、女優として復帰するのは絶望的と言えます。
事件に関わった人物の内、最も悲惨な結末を迎えたのはヒョン・グタクでしょう。愛する息子は自殺。もう1人の息子は、ダウンの遺体を10年も隠していたのです。さらに約束された役職も全てゼロに。文字通り、何もかも全て失ってしまいました。
白雪姫には死を/BLACK OUT・普通に生きることの難しさ
欲望や嫉妬心に苛まれずに生きていくのは、不可能です。絶対に避けられません。大事なのは負の感情に押しつぶされず、普通に生活を送ること。ドラマでは、普通の生活を送ってきた人はハッピーエンドを迎えていました。
普通に生きて得たもの
ハ・ソルは医大に復帰し、勉強へ。ノ・サンチョルは引き続き刑事として、他の事件に取り組むことでしょう。
ソルは好奇心で、事件捜査に協力。彼女にとっての「好奇心での行動」は、普段の生活そのものです。サンチョルも自分の仕事に打ち込んだだけ。杜撰だった捜査をゼロから見直して事実を追求するのは、何気ない日常の一幕です。
ジョンウの母親であるチョン・クムヒは、壮絶な人生を歩んできました。「殺人犯の母」という十字架を背負ったまま、どこにも引っ越さず村で過ごしてきたのです。村人から石を投げつけられたこともあったでしょう。酷い言葉をかけられたのも、一度や二度だけではないはずです。そして陸橋から突き落とされ、意識不明の重体にまで追いやられてしまいました。
そんな過酷な状況下であっても、クムヒは絶対に負けませんでした。耐えて耐え抜いて、普通の生活を送っていたのです。中々出来るものではありません。頭が下がります。
主人公が得たもの
誰よりも辛い状況にあったのは、主人公のコ・ジョンウです。
無実の罪により10年も刑務所に収監。20代を犠牲にしてきました。故郷の村に帰ると、待ち受けていたのは、誹謗中傷の嵐。友達は出世し、ジョンウ1人だけが取り残された形となったのです。
あまりにも辛い現実に、大泣きする場面もありました。
でも決して逃げることなく、過去と向き合ってきました。
だからこそ、コ・ジョンウは輝かしい人生の再スタートを切ることが出来たのです。
「白雪姫には死を/BLACK OUT」まとめは1話で既に語られていた!
「白雪姫には死を/BLACK OUT」についてまとめるにあたり、最適なシーンがあります。1話で登場した父と息子の釣りシーンです。
ジョンウは魚が釣れずイライラしていました。一方で父親のチャンスは、何もせずじっと待っています。すると釣り竿がヒットし、見事に大物を釣り上げたのです。
大き過ぎる伏線を1話で堂々と持ち込んだドラマスタッフの力。「お見事」の一言です!